海外FXでは、Meta Trader4(以下MT4), Meta Trader5(以下MT5) 、という共通のプラットフォームを使用してトレードを行います。
MT4の基礎知識、MT4とMT5の違いとそれぞれのメリットとデメリット、どちらを使うべきか、をまとめました。
そもそもMT4とは
『MT4』は『Meta Trader 4』の略語です。
MT4は、ロシアのMetaQuotes社が開発したトレード用のプラットフォームです。
MetaQuotes社の子会社は日本にもあります。
MT4は2005年に開発され、使いやすさ、利便性の高さから多くのトレーダーに支持され、現在は750社以上の金融機関に取引プラットフォームとして採用されています。
世界中のトレーダーがMT4を使用してトレードしています。
ダウンロードして、パソコン上で使用するのが最も一般的な使い方です。
Windows、Mac共に利用可能です。
アプリ版もリリースされており、スマートフォンで使用することもできます。
iOS,Android共に利用可能です。
ダウンロードせずに、ブラウザ上で操作するWebTraderが利用できる業者もあります。
多くの海外FX業者の公式サイトにて無料でダウンロードできます。
アプリ版も無料です。
MT4/MT5でできること
MT4,MT5では、以下のようなことができます。
- 成行注文
- 事前発注
- チャート上にラインを描画する
- チャート上にインジケータを表示させる
- EA(自動売買ツール)の使用
- 日、週、月毎の損益の確認
FXの注文の発注を行う為のツールですが、注文する為のチャートの分析、インジケータの表示ができます。
インジケータの追加を含む、チャート表示も、使用するトレーダーの好みに合わせたカスタマイズ性の高さが大きな特徴です。
MT4とMT5の違い
MT4とMT5の特徴、スペックを一覧表にまとめました。
MT4 | MT5 | |
リリース期 | 2005年 | 2010年 |
時間足 | 9種類 | 21種類 |
インジケータ | 30 | 38 |
描画オブジェクト | 31 | 44 |
指標カレンダー | × | ○ |
板情報 | × | ○ |
ワンクリック注文 | ○ | ○ |
両建て | ○ | ○ |
動作 | 速い | MT4よりも速い |
メモリ消費 | 少ない | MT4より多い |
プログラミング言語 | MQL4 | MQL5 |
EAの種類 | 多い | 少ない |
対応業者 | ほぼ全社で利用可 | 一部のみ利用可 |
アップデート | 終了 | 継続中 |
※MQLとは『Meta Quotes Language』の略語でMetaTrader4or5で使用される専用のプログラミング言語
機能面での違いと互換性
MT5は、MT4の5年後に開発されており、機能面では大きく向上しています。
ソフトウェアとしてのビット数は『32bit⇒64bit』となっており、開発は、ほぼ機能を加算する方向で行われています。
ただし、プログラミング言語が異なることにより、カスタムインジケータ、EAには互換性がありません。
『MT4で使えるEAを、そのままMT5で使用する』ということはできません。
Windows版/Mac版での違い
元々、MT4,MT5はWindows向けに作られたソフトウェアです。
海外FX業者の公式サイト上では、Mac版もダウンロードできますが、各業者によって独自に用意されたものです。
各社が用意した各OS対応ソフトウェアがあれば、Windows版、Mac版に大きな違いはありません。
多くの海外FX業者は、Windows版、Mac版のMT4/MT5を用意しています。
Mac版の提供がない業者の場合は、[Play On Mac]などのエミュレータソフトを使えば、利用はできます。
この方法は、MetaQuotes社が推奨している方法ではありますが、動作を保証するもではありません。
スマホアプリのMT4/MT5
『スマホアプリ版とPC版』の違い、『スマホアプリ版MT4とスマホアプリ版MT5』の違いをまとめました。
スマホ版とPC版の違い
スマートフォンから発注できるアプリ版MT4/MT5は、PC版よりも性能は劣ります。
▽アプリ版MT4,MT5
- EA(自動売買ツール)の利用不可
- 描画オブジェクトが少ない
- 使えない機能がある(トレーリングストップ注文・損益のpips表示など)
上記のように、PC版ではできて、スマホアプリ版ではできないことがあります。
スマホアプリ版は、裁量トレード用のアプリとなっています。
アプリ版MT4とアプリ版MT5の違い
『アプリ版のMT4とMT5を比較』した場合、異なる点は多くありません。
アプリ版のMT4とMT5の違いは【MT5はストップリミット注文が使える】【MT5はデフォルトのカラー選択で『Color on White』が使える】など、細かい点でMT5の方が優れている程度です。
ですが、ベースとなる性能はMT5の方が良いので、『MT5が使える業者』で『スマートフォンからしか発注しない』というトレーダーの方は、MT5を選択した方が良いです。
アプリ版のMT4、MT5についてはこちらの記事に詳細にまとめています。
MT4とMT5どちらを利用すべきか
以降は、PC版のMT4,MT5について記載しています。
『MT4とMT5、結局どちらを使えば良いの?』という疑問についてですが、特別な理由がない限りは【MT5を利用】した方が良いです。
MT4のみで動作するEA,カスタムインジケータがある
PCの方が古いので、少しでも軽いソフトにしたい
この結論に至る理由を、MT4とMT5のそれぞれのメリットとデメリットをまとめながら説明します。
MT4のメリット
MT4のメリットは以下の通りです。
② カスタムインジケータの種類が多い
③ 動かせるEAの種類が多い
④ メモリ消費量が少ない
①対応している海外FX業者が多い
2005年から利用されているMT4は、ほぼ全海外FX業者で利用できます。
例外として、古い業者であるiFOREX、逆に新しい業者であるFXGTでは、MT4は使えません。
その他の業者ではMT4が利用できます。
MT4上で、取引する口座はログイン&ログアウトできるので、MT4が利用できる業者であれば、設定等をし直す必要なく、複数業者を使いまわすことができます。
②カスタムインジケータの種類が多い
カスタムインジケータは、最初から入っている30種類のインジケータ以外に追加できるインジケータ全般を指します。
よりチャート分析をしやすいように、MT4を拡張できます。
このカスタマイズ性が多くのトレーダーに支持されたポイントでもあります。
『買いサイン・売りサイン』とうのシグナルを表示させるものや、スプレッドをチャート上で常に表示させるもの、日本時間に表示を変更するもの、など数千種類ものカスタムインジケータがリリースされています。
MT4/MT5の開発元が運営しているコミュニティサイトで入手できるものもあり、ブローカーが公式サイト上で配布しているもの、トレーダーが独自に開発しているものもあります。
無料で利用できるものも非常に多いです。
先述した通り、MT4とMT5はプログラミング言語が異なることにより、カスタムインジケータの互換性がありません。
長く利用されてきた歴史に比例して、利用できるインジケータの種類は多く、現在も利用可能なインジケータはMT4の方が多いです。
③EAの種類が多い
EAは『Expert Advisor』の略で、自動売買ツールのことを言います。
先のカスタムインジケータと同様、プログラミング言語が異なることにより、EAもMT4とMT5では互換性がありません。
MT4用に開発されたEAは、MT4でしか使えません。
利用されてきた期間の長いMT4の方が利用できるEAの数自体は多いです。
④使用メモリが少ない
PC版のMT4は32bitsのソフトウェアです。
メモリ使用量の上限値が4GBのアプリケーション・ソフトです。
実際に使用されるメモリ容量は、20~30MB程度であり、パソコンの容量を圧迫することはありません。
MT4のデメリット
MT4のデメリットは以下の通りです。
機能面で劣るMT4ですが、特に多くのトレーダーの方に影響する部分を抽出しました。
② ストップリミット注文ができない
③ アップデートが終了している
①表示できる時間足が少ない
MT4では9種類の時間足、MT5では21種類の時間足が表示できます。
MT5➡1分,2分,3分,4分,5分,6分,10分,12分,15分,20分,30分,1時間,2時間,3時間,4時間,6時間,8時間,12時間,日足,週足,月足
特に、短期足の種類が大幅に増えているので、短期売買中心のトレードスタイルの方にとっては、大きなデメリットです。
②ストップリミット注文ができない
発注方法において、MT4では『ストップリミット注文』が使えません。
押し目買い、戻り売りに使う。
ストップリミット注文を使わないトレードスタイルの方であれば、影響はありませんが、事前に発注する注文方法が一つMT5よりも少ない点はデメリットです。
③アップデートが終了している
開発元であるMetaQuotes社は、MT4のアップデート終了を宣言しており、MetaQuotes社の公式サイトからは、MT4のダウンロードは既にできなくなっています。
アップデートが終了したことにより、今後機能が改善されることはありません。
MT5のメリット/デメリット
MT5のメリットとデメリットも確認しましょう。
② 機能面は向上
③ アップデート継続中
①動作/処理が早い
MT5の大きなメリットは、MT4よりも動作、処理速度が向上している点です。
こちらの要求に対するレスポンスが早くなり、ストレスなく動いてくれます。
特に、注文の回数の多いスキャルピングトレーダー、裁量トレーダーの方にとっては非常に良い点です。
②使える機能が多い
MT4で使える機能は、過不足なくそのまま使えます。
MT4にない機能として、以下の機能が使えます。
MT5はストップリミット注文可
MT5は気配値ウィンドウに『詳細』『プライスボード』追加
前項と重複する内容もありますが、MT5はより多角的にチャートを分析できます。
機能面では、MT4にできてMT5にはできない、ということがありません。
バージョンアップに伴い、機能は全面的に加算されています。
③アップデート継続中
MT4の公式アップデートは終了していますが、MT5は、リリースから10年経過した今でもアップデートで継続されています。
今後も、細かい機能の改善が重ねられ、機能が充実する可能性があります。
MT5のデメリット
MT5のデメリットは以下の通りです。
② カスタムインジケータ、EAの種類が少ない
①対応している業者が少ない
MT5は利用できる業者がまだ少ないです。
しかし、ここ数年でMT5が利用できる業者は急速に増えつつあります。
トレーディング環境が整っている業者では標準装備されているレベルにはなっています。
今後も、MT5が利用できる業者は増えていくと思われます。
②使えるカスタムインジケータ、EAが少ない
カスタムインジケータ、動かせるEAが少ない、ことがMT5の大きなデメリットです。
ここがネックとなって、MT4からMT5への移行が進まなかった最大の原因です。
しかし、利用者の増加、対応業者の増加に伴い、ここ数年で非常に増えてきています。
絶対値自体はまだ及びませんが、人気の高いカスタムインジケータ、汎用性の高いインジケータは、MT5版でも使えるものが増加していきています。
MT4とMT5の違い|まとめ
結論としては、MT4が利用な海外FX業者であれば【絶対に使いたいMT4のみで稼働するカスタムインジケータ、EAがある】という方以外は、MT4を利用した方が良いです。
▽主要海外FX業者の対応プラットフォーム
業者名 | MT4 | MT5 |
XM | ○ | ○ |
Exness | ○ | ○ |
AXIORY | ○ | × |
TitanFX | ○ | ○ |
iFOREX | × | × |
LANDFX | ○ | ○ |
HotForex | ○ | ○ |
FBS | ○ | ○ |
IS6FX | ○ | × |
FXGT | × | ○ |
MT4の人気が高かったことにより、MT5への移行が上手く行っていなかったのですが、MT5に対応したFX業者が増加したことにより、MT5利用者は増えつつあります。
MT4は自動売買で使い、裁量トレードはMT5、と併用する方も居ます。
MT5が使える業者ではMT5を使い、MT4のみに対応している業者ではMT4を使う、という併用の仕方ももちろん可能です。
初期設定は手間ではありますが、MT4,MT5の共通のメリットは、業者間を跨いで利用できる点です。
操作性も、ほぼ共通なので、『MT4を使ってみたけど、8時間足を表示したいからやっぱりMT5にしたい』というような場合でも、MT4の操作経験は無駄にはなりません。
ただし、海外FX業者では【MT4用のトレード口座】【MT5用のトレード口座】という風に、プラットフォームによって、口座は分けられています。
「既にMT4口座を利用している方が、同じ業者でMT5を使いたい」という場合は、『MT5用の口座を追加』する必要があります。
MT4とMT5の違いを理解した上で、あなたにとってより良いプラットフォームを選択してください。
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