海外FX業者は、多くの業者がゼロカットシステムを採用しています。
国内FX業者にはないサービスであり、海外FXの持つ強みの一つです。
本記事では、海外FXのゼロカットシステムについてまとめました。
ゼロカットシステムとは
ゼロカットシステムは【マイナス残高を0にリセットするサービス】のことです。
『マイナス残高の保護』と呼ばれることもあります。
急な値動き、大きな窓開けなどで、アカウント内の残高を損失額が上回ると、マイナス残高が発生することがあります。
ゼロカットシステムを採用している業者であれば、マイナス残高を業者が補填してくれます。
強制ロスカットとゼロカットの違い
言葉が似ているので、混同している方も居るかもしれませんが、「強制ロスカット」と「ゼロカット」は異なるものです。
海外FX、国内FX問わず、各業者は【強制ロスカット水準】というものを定めています。
証拠金維持率が一定の水準を下回った時点で、ポジションは強制的に決済されます。
この仕組みが【強制ロスカット】です。
預け入れている資金量と損失額によって『証拠金維持率』は変動します。
強制ロスカットが順当に執行された場合、残高はマイナスにはなりません。
しかしながら、執行が間に合わないほど鋭い値動きの場合や、月曜日の大きな窓開けの場合は、強制ロスカットが執行されても、マイナス残高が発生することがあります。
残高がマイナスになった後、業者によってマイナス残高が補填される仕組みが【ゼロカットシステム】です。
ゼロカットシステムがない場合
ゼロカットシステムのない国内FXの場合は【追加証拠金】の徴求が求められ、マイナス残高の解消は自分で行う必要があります。
追加証拠金は追証(「おいしょう」と読みます）とも呼ばれ、法的拘束力を持ち、支払いが滞ると金利も発生します。
追証の発生は『借金』と同義です。
ゼロカットシステムのメリット
ゼロカットシステムは、トレーダーにとってはメリットしかありません。
借金リスクがない
ゼロカットシステムが採用されている海外FXの大きな強みとも言えますが、どのような値動き、大きな窓開け、何が起きても追加証拠金が発生しないことは大きなメリットです。
ゼロカットシステムが整備されていることで、海外FXの持つハイレバレッジのチカラを存分に使うことができます。
損失が限定された上でトレードできる
『入金額＝最大損失額』という前提の元でトレードできることもメリットの一つです。
ゼロカットシステムがあることで、損失額が限定できます。
損失額が限定できることは、裁量トレードでの判断にも良い影響を与えます。
ゼロカットシステムのデメリット
トレーダーにとってはデメリットはありません。
しかしながら、業者にとってはデメリットがあります。
マイナス残高の補填は、FX業者の資金によって行われます。
スイスフランショックの時は、複数の海外FX業者が、顧客のマイナス残高の補填により倒産しています。
ゼロカットシステムを多数執行することは、FX業者の倒産リスクの増加に繋がります。
また、FX業者が資金繰りの為にスプレッドを広めることに繋がる可能性もあります。
トレーダーにとっては、デメリットのない仕組みですが、【ゼロカットシステムの執行/マイナス残高の補填】は、業者視点では、歓迎すべきことではないことは理解しておいた方が良いです。
その為、規約違反があった場合は、ゼロカットシステムが執行されない場合もあります。
ゼロカットシステムの注意点
ゼロカットシステムは、多くの業者で自動的に執行されます。
極一部の業者では、サポートに申請する必要があります。
アカウント内残高がマイナスになった場合、クレジット(ボーナス)の残高があれば、まずボーナス分と相殺されます。
ポジションを保有していると、執行されません。
マイナス残高とボーナス分を相殺したい場合は、一度ポジションを決済しましょう。
ボーナス分がない場合、ボーナス分と相殺してもマイナス残高が発生した場合は、ゼロカットが執行されます。
原則として、早い業者で5分前後、遅い業者でも1時間前後で自動的に0になります。
ゼロカットが執行されない場合は、サポートに問い合わせましょう。
ゼロカットシステム｜まとめ
トレードの結果としてマイナス残高が発生すること自体は、望ましいことではありません。
しかしながら、『借金状態には絶対にならない』というゼロカットシステムは、安心感のある受け皿となってくれます。
レバレッジを掛けてトレードする上で【ゼロカットシステム】は必須のサービスです。
事実、ヨーロッパのFX業者では、ゼロカットシステムの完備が義務付けられており、世界的には大多数のFX業者はゼロカットシステムを採用しています。
国内FX業者も採用すべきサービスだと思いますが、日本の金融庁の規制により、導入はされていません。
国内FXは、ゼロカットシステムがない時点で、とてつもなく大きなリスクを背負った上で、トレードすることになります。
大きなポジションを保有していると、『〇〇ショック』のような鋭い値動きが起きる可能性に怯えます。
ポジションを保有したまま、土日を持ち越す際は、突発的なニュースに怯えます。
いつ何時でも、ポジションを保有している際は、完全に心が休まることはありません。
追加証拠金が求められ、借金状態になるリスクが常にあり続けるからです。
ゼロカットシステムのある海外FXでは、借金状態になるリスクは完全に排除されています。
規約違反に抵触するトレードを行わなければ、どれほどのマイナス残高が発生しようと、0にリセットされます。
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